プラダンの選び方完全ガイド|厚み・目付・目方向で決まる強度と用途

2026/10/09


プラダンは「厚み」だけで選ぶと失敗します。同じ4mmでも目付(1㎡あたりの重さ)が違えば硬さが変わり、目方向(中空構造の向き)を間違えれば曲げ強度が足りなくなります。 用途に合った強度とコストは、厚み・目付・目方向・機能グレードの4つを指定して初めて決まります。

本記事では、プラダン台湾工場として押出成形からPP中空ボードを生産している宝利莱(Polariod Enterprise)が、メーカーの視点でプラダン選定の考え方を整理します。初めてプラダンを発注する購買担当の方、海外工場からの調達を検討している方にも使える内容です。


プラダンとは?ダンプラ・プラベニヤとの違いは?

プラダンとは、ポリプロピレン(PP)樹脂を押出成形した中空構造のプラスチック段ボールです。 ダンプラ、プラベニヤ、中空ボード、PP中空板などとも呼ばれますが、基本的には同じ素材を指します。呼び方の違いはメーカー名・商品名・業界の慣習によるもので、性能の差を示すものではありません。

PPの比重は約0.9とプラスチックの中でも軽く、2枚のライナーをリブ(縦の壁)でつないだ中空構造により、軽さと剛性を両立しています。紙の段ボールと比べると、水に濡れても強度が落ちにくく、油や薬品にも強く、繰り返し使えることが最大の違いです。

用途は、建築・リフォームの養生材、物流の通い箱や仕切り、広告看板、電子部品の梱包材、農業資材まで幅広く、それぞれに適した仕様が異なります。全体像はプラダン・PP中空ボードの製品ページでもご覧いただけます。


なぜ「厚み」だけで選ぶと失敗するのか?

厚みはプラダンの「外寸」を示すだけで、強さを決めるのは目付と目方向です。 見積書に「4mm」とだけ書いて発注すると、供給元によって硬さや重さが大きく異なるプラダンが届くことがあります。

目付(g/㎡)とは何か?同じ厚みでも硬さが変わる理由

目付とは、プラダン1㎡あたりの重量(g/㎡)のことです。 同じ厚みでも目付が高いほど樹脂量が多く、ライナーやリブが厚くなるため、硬く、つぶれにくくなります。

たとえば宝利莱の場合、3mmで約400〜600g/㎡、4mmで約500〜800g/㎡と、同じ厚みの中でも幅があります。3×6板(910×1820mm、約1.656㎡)に換算すると、目付600g/㎡なら1枚あたり約1.0kg、800g/㎡なら約1.3kgです。

目付を上げれば強度は上がりますが、材料費と重量も増えます。「必要な強度を満たす最も低い目付」を選ぶことが、コストを最適化する基本です。 比較見積もりの際は、必ず「厚み×目付」をセットで指定しましょう。

目方向(押出方向)で曲げ強度はどう変わる?

目方向とは、中空のリブが走る方向のことで、押出成形の流れ方向と一致します。 プラダンは目方向に沿って曲げると強く、目方向と直角に曲げると比較的しなりやすいという異方性を持っています。

この性質は設計に直結します。

  • 棚板や敷板のように荷重がかかる用途では、支点間に対して目方向が「橋渡し」になる向きで使う
  • 箱の折り目を目方向と平行にすれば、罫線なしでもきれいに折りやすい
  • 目方向と直角に折る場合は、罫線(スコア)を入れて割れや波打ちを防ぐ

図面や発注書に「目方向:長辺方向」のように指定しておくと、製函・加工後のトラブルを防げます。


まずはどの厚みから検討すべき?主力規格2.5mmと4mmの使い分け

迷ったときは、2.5mmと4mmの3×6板(910×1820mm)から検討を始めるのが効率的です。 この2規格は宝利莱の主力輸出規格であり、調達量が多いぶん供給が安定し、パレット・コンテナ単位での計画も立てやすくなります。

  • 2.5mm:軽さと扱いやすさを重視する用途。壁面の養生、仕切り板、軽量な箱、印刷用の看板ベースなど
  • 4mm:剛性と耐久性を重視する用途。床面の養生、通い箱の箱体、繰り返し使う仕切りやトレーなど

2.5mmで強度が足りない場合は、厚みを4mmに上げる前に「2.5mmの目付を上げる」選択肢も検討できます。逆に4mmで過剰な場合は、目付を下げることで重量とコストを抑えられます。


用途別:厚み×目付の選定目安は?

用途ごとの選定目安は下表のとおりです。 最終的な仕様は、荷重・使用回数・使用環境(屋外か、湿度、温度)によって変わるため、サンプルでの確認をおすすめします。

用途 推奨厚み 目付の考え方 推奨グレード・仕様
壁・建具の養生 2.5mm 標準〜低目付(軽さ優先) 標準品、色付き(傷の視認性)
床・通路の養生 4mm 標準〜高目付(踏み抜き・台車対策) 標準品
仕切り板・インナー 2.5〜4mm 製品重量に応じて選定 標準品/帯電防止
通い箱・折りたたみ箱 4〜5mm 高目付(繰り返し使用・段積み) 標準品/帯電防止/導電
屋外看板・選挙看板 2.5〜4mm 標準(風圧と重量のバランス) コロナ処理、UV安定剤
電子部品トレー 2.5〜4mm 部品重量に応じて選定 帯電防止(10⁶〜10⁹Ω)/導電(10⁶Ω未満)
棚板・大型ケース 6〜10mm 高目付(たわみ対策) 標準品

※目付の具体的な数値は、厚みと用途をお知らせいただければ個別にご提案します。


表面処理と機能グレードはどう選ぶ?

機能グレードは「なんとなく付ける」のではなく、使用環境のリスクから逆算して選びます。 不要な機能を付けるとコストが上がり、必要な機能が欠けると不良や事故につながります。

  • コロナ処理:PPは本来インクや接着剤がのりにくい素材です。コロナ処理で表面を改質すると、シルク印刷・UV印刷・ラミネートの密着性が向上します。印刷や貼り合わせを行う場合は必須と考えてください。
  • 帯電防止グレード:表面抵抗値10⁶〜10⁹Ω。ホコリの付着や静電気の蓄積を抑え、電子部品や精密部品の梱包に使われます。
  • 導電グレード:表面抵抗値10⁶Ω未満。静電気を速やかに逃がす必要がある用途向けです。
  • UV安定剤配合:屋外で長期間使う看板や資材向け。紫外線による劣化を抑えます。想定する設置期間をお知らせください。
  • 難燃グレード:難燃剤を配合したグレードです。ただし日本では、UL94、消防法の「防炎」、建築基準法の「難燃材料」は別の制度です。求められる証明の種類を先に確認することが重要です。

電子部品向けの使い分けは物流・工業用通い箱への応用、難燃グレードは難燃性ボード・建材への応用で詳しく紹介しています。


サイズと加工方法は?

標準サイズは3×6板(910×1820mm)で、日本の建築・養生・看板の寸法体系とそのまま合わせられます。 そのほかのサイズや、指定寸法へのカットも相談可能です。

プラダンは加工性の高さも大きな特長です。宝利莱のプラダンは、従来の紙器加工機械での加工に適しており、次のような加工に対応します。

  • 罫線入れ、裁断、スリット(分条)、平押し、ステッチ(釘止め)
  • 打ち抜きによる箱・トレーの成形
  • 超音波溶着、鋲留め(リベット)、貼り合わせ

既存の紙器設備を活用できるため、日本国内の加工会社が原板を仕入れて製函する、という分業もスムーズです。


発注前に確認すべき7項目

プラダンの見積もり・発注前には、次の7項目をそろえておくと、比較がしやすく手戻りも防げます。

  1. 用途を伝える:何に使い、何回使い、どこで使うか(屋内・屋外・冷蔵など)
  2. 厚みを決める:まずは2.5mmか4mmを基準に検討
  3. 目付を指定する:「厚み×目付」をセットで比較
  4. 目方向を指定する:長辺方向か短辺方向か
  5. 機能グレードを選ぶ:コロナ処理、帯電防止、導電、UV、難燃の要否
  6. サイズ・色・数量を決める:3×6板か指定寸法か、色、年間使用量
  7. サンプルで確認する:実際の荷重・加工・印刷で試してから量産へ

プラダン台湾工場・宝利莱の供給体制

宝利莱は、台湾・台中市大肚区に自社工場を持つPP中空ボードの専業メーカーです。 2006年に設立され、1979年創業の台湾のプラスチックメーカー・憶昇実業グループに属しています。複数の押出ラインで厚み1.5mm〜10mmのプラダンを生産し、輸出向けにも供給しています。

プラダン海外工場として、日本のお客様が気にされる「まとまった数量の安定供給」に対応できるよう、出荷単位を明確にしています。

厚み サイズ 1パレットあたり 40HQコンテナあたり 1コンテナの面積(計算値)
2.5mm 910×1820mm 940枚 14,000枚 約23,190㎡
4mm 910×1820mm 600枚 8,870枚 約14,690㎡

年間使用量からパレット数・コンテナ数を逆算できるため、在庫計画や倉庫スペースの見積もりにもお使いいただけます。


よくある質問

プラダンの3mmと5mmでは何が違いますか?

主に剛性と重量が違います。5mmは中空部が高いため曲げに強く、通い箱や段積みする用途に向きます。3mmは軽く加工しやすいため、仕切りや軽量の箱、養生に向きます。ただし同じ厚みでも目付で硬さが変わるため、厚みと目付をセットで比較してください。

プラダンの目付はどのくらいばらつきますか?

目付の公差はメーカーや製品により異なります。品質を安定させるには、発注時に目付の基準値と許容範囲を取り決め、受入時に重量を測定するのが確実です。宝利莱では、ご希望の仕様に合わせて目付をご相談いただけます。

プラダンは屋外で使えますか?

使えます。PPは水を吸わないため雨でも強度が落ちにくい素材です。長期間屋外で使う場合は、紫外線による劣化を抑えるUV安定剤配合グレードを選んでください。必要な耐用期間は設置環境で変わるため、想定期間をお知らせいただくのが確実です。

プラダンの色は選べますか?

選べます。白、黒、青、赤、緑、黄、半透明など多色に対応しています。養生では傷や汚れが目立ちにくい色、通い箱では工程や取引先ごとの色分けなど、用途に合わせて選ぶと管理がしやすくなります。

プラダンはどの方向に切ったり折ったりすればよいですか?

目方向と平行に折る場合は、罫線なしでも比較的きれいに折れます。目方向と直角に折る場合は、罫線を入れて割れや波打ちを防ぎます。カットはカッターナイフでも可能ですが、量産では裁断機や打ち抜きで精度をそろえるのが一般的です。

海外のプラダン工場に小ロットで発注できますか?

数量や仕様によって対応方法が変わります。宝利莱では、主力規格の2.5mm・4mm(910×1820mm)をパレット単位・40HQコンテナ単位でご案内しています。必要数量と用途をお知らせいただければ、最適な発注単位をご提案します。


用途を伝えるだけで、最適な厚み×目付をご提案します

プラダン選びで重要なのは、カタログの厚みから選ぶことではなく、用途から仕様を逆算することです。宝利莱は、プラダン台湾工場として、厚み・目付・目方向・機能グレードを組み合わせ、お客様の用途に合った仕様と出荷単位をご提案します。

「今使っているプラダンが重すぎる」「海外工場に切り替えたいが仕様の決め方がわからない」といったご相談も歓迎します。用途、使用回数、希望サイズ、年間使用量をお知らせください。サンプルとお見積もりをご案内します。

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